TOPCON REsuperについて
明けましておめでとうございます。前回の続きです。
概要
TOPCON REsuperは1963年発売のフラッグシップ一眼レフで、TTL測光(トプコンミラーメーター)を初めて実現した。
特徴
ニコンFより4年後発なので、モータードライブを無調整でそのまま取り付けられるなど、後発らしく洗練されているなと感じる。そもそもトプコンは戦前からカメラを製造していたし、国内で3番目にペンタプリズム搭載一眼レフを発売したメーカーなので、ノウハウは相当あったのだと思われる。
絞り環と露出計の連動についての特許は後にミノルタの露出計連動、ニコンのAi方式として使用されることになる。ちなみに、ミノルタは紐で連動させていたが、このカメラは太い鎖で連動させている(ニコンは知らない。FMは摺動抵抗?)。大柄なボディはRから基本設計が変わっていないことと、鎖の取り回しが原因だと思われる。
この図のミラー部が表すように、ミラーにスリットが入っており、その下に薄っぺらいCdSが仕込まれている。このCdSは当時トプコンが傘下に入っていた東芝が制作しており、トプコン側で製造した0.6㎜厚の基板に蒸着されたものだった。
外観
米国の輸入販売元であるベセラー側のデザイナーが手掛けたものらしく、角ばっていて大柄さを強く感じさせるようなデザインであると感じる。頭ブン殴ったら殺せそう。
しかし、シャッターボタン周辺など丸い箇所も多く、アクセントになって個人的には素晴らしいデザインだと思う。特徴的なのはペンタ部が三角屋根ではないことか。レクタフレックスのデザインに似ていて良い。
私の個体は後期型で、ロゴが右肩に移動し、サイズが大きくなっていることが特徴。そのほかにも内部構造が洗練されているらしい。
前期型のロゴのほうが慎ましやかで調和取れてんじゃね?
使用感
ギミックが多くて楽しい。特に巻き戻しノブがトルクによってせりあがってくるところに感動した。ペンタ部に指を引っかけることなくスムーズに巻き戻せる点。他にも裏蓋の開放を底部のボタンで行う点や前面配置のシャッターボタンといった独創性がよい。
巻き上げ角は180°超えと大きい。分割巻き上げ可能で、非常になめらか。戻すときのラチェット音が好き。
スクリーンはピントの山が見やすく、スプリットイメージの入ったものだった。視度が遠視寄りなのでその点だけ補正すればピント合わせはしやすい。
欠点としてはファインダー内に露出計以外の情報がないことと、シャッターロックがないため暴発しやすいところ。前面にシャッターボタンがあるため、持っただけでシャッターが切れてしまう。
作例
白黒フィルムはKodak double-x、カラーはFUJICOLOR superia premium 400
おしまい